秦 達夫 写真展 風光の峰 雲上の渓 黒部源流の山々 作品解説動画です。

■期間 2023年6月29日(木)~7月10日(月)10:0018:00 最終日 15:00 まで ※休館日7月4日(火)5日(水)  入場無料 【写真展案内】 大腿筋が痙攣し「なんで、登っているんだろう?」転ぶように座り込んで登ってきた道を振り返る。嘆きと後悔が心を支配していく。しかし、山よりも大きな好奇心と石ころよりも小さいプライドが下山を許さず、また登り始める。すれ違う登山者は僕の背の85リットルのザックに更に括り付けられた荷物を見て「何が入っているの?」と話し掛けてくる。力みで震える声で「夢が沢山」とだけ告げる。 今回の舞台、北アルプス黒部山域は鷲羽岳を筆頭に3000mクラスの山々が連なり光溢れる峰峰だ。源流部はフライフィッシャーマンの聖地である。実は黒部との出逢いはフライフィッシング大好き青年の「見せたい風景があるんだ」から始まり人の輪によって紡ぐ事ができている。彼は黒部の話になると少年のように目を輝かせた。黒部は訪れた人を虜にしてしまう不思議な力がある。僕の場合は取り憑かれたのかもしれないが。岩魚釣りから始まった山行撮影だから水中の岩魚も撮影したくドライスーツや水中ハウジングも担ぎ上げた。小屋に押し掛け居候し皿洗いと撮影を繰り返す。そんな僕を受け入れてくれた山の仲間に感謝である。山域によってはテントも必要でザックの膨らみと共に嘆きと後悔が倍増する。それとは反比例する好奇心と恋心。下心と言うなかれ複雑な思いが交差した作品群である。そんな僕の笑い話を聞いて欲しいと思うし、山に興味を持つ切掛けの写真展になってくれたら嬉しく思う。 ■作家プロフィール 秦 達夫 / Tatsuo Hata 長野県飯田市遠山郷(1970/4/20 生)。自動車販売会社・バイクショップに勤務。後に家業を継ぐために写真の勉強を始め自分に可能性を感じ写真家を志す。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトルの写真集を信濃毎日新聞社から出版。写真集『山岳島_屋久島』『RainyDays 屋久島』『Traces of Yakushima』エッセイ『雨のち雨ところによっても雨_屋久島物語』他多数。小説家・新田次郎氏『孤高の人』の加藤文太郎に共感し、『アラスカ物語』のフランク安田を尊敬している。 日本写真家協会会員・日本写真協会会員・日本風景写真家協会会員・Foxfire フィールドスタッフ・日本写真芸術専門学講師 Intel® Blue Carpet Projectに参加 https://aboutme.style/photohata