ユネスコ世界遺産登録 事務局・佐藤尚

1993年、日本で初めてユネスコの世界遺産として4カ所が登録されました。もう30年以上前なんですね。そのうちの一つが、青森県と秋田県にまたがる「白神山地」でした。広大なブナの森です。実は、当時の私は、その自然の価値には、あまりピンときていませんでした。

私はフリーランスの写真家として独立したばかりで、仕事としての撮影の対象は、主に観光地や人が集まる場所。そんな私には、「ただ緑が広がる森」が評価された理由をあまり理解できなかったのです。なんでもないブナ、なんでもない森、なんでもない自然。

しかし、その後、全国各地の自然を撮影していくなかで、ブナのことを知るようになっていきます。ブナの森は、多くの生き物たちが暮らしていて、豊かな水を生み出していて、人たちに安らぎを与えてくれる場所です。

数日前、撮影旅で、新潟県魚沼市大白川のブナ林を訪れました。
ブナを観察すると幹には美しい模様があります。これは空気が澄んだ環境で見られる特徴の一つです。不思議です。初めて見た時には、自然の神秘に感動しました。自然は素晴らしい。

30年前の自分が知らなかった自然のすごさを、今では感じられるようになっています。それと同時に、風景の見え方も変わってきています。写す写真にも少しずつ変化があります。だから、写真って面白い。

今では「白神山地」が世界遺産に登録された理由も地球環境のために大切なことだと理解しています。そして、今月に、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産に登録されました。関係者の皆さま、おめでとうございます。昔の私のように意味を感じられない方がいるかもしれません。ただの遺跡としてではなく、古代の人たちへの思いが訪れた人たちに伝わるきっかけになるといいですね。登録されたことで興味を持つ方が絶対にいます。

私は、奈良県には、今年は春に行ったので年内は行かないかもしれないですが、明日香の春の景観魅力はたまりません。また、来年にも行ってみたいし、関西には、当会の会員もたくさんいるから、その際には、会って、世界遺産の思い出なんて話もしてみたいものです(^^)

事務局 佐藤尚

新潟県魚沼市・大白川